分野3 金融資産運用 投資 頻出

金融資産運用

ふやす・まもるの基本。金融商品とリスクをやさしく。

🎯 このレッスンのゴール

  1. GDP・物価・金利・為替など、経済の基礎指標の意味がわかる
  2. 預貯金・債券・株式・投資信託・外貨建て商品の特徴を説明できる
  3. PERなどの投資指標と、債券価格と金利の関係を理解する
  4. ポートフォリオ(分散投資)の考え方と、株式・投信の税金・NISAがわかる

こんにちは、先生役の「ブタコ先生」です。この分野は「お金をふやす・まもる」ための知識。横文字や数字が多くてこわく見えますが、ひとつずつ意味をつかめば大丈夫。まずは経済のニュースに出てくる言葉から、ゆっくり一緒に見ていきましょう。

1. 経済・金融の基礎指標

金融商品を考える前に、世の中の「景気」や「お金の流れ」を表すモノサシを知っておきましょう。ニュースでよく聞く言葉ばかりです。

指標意味(ざっくり)
GDP(国内総生産)国内で1年間に新しく生み出されたモノ・サービスの合計金額。国の経済の大きさを表す代表的な指標。
景気動向指数たくさんの統計をまとめて、景気が良くなっているか悪くなっているかを示す指数。
消費者物価指数(CPI)わたしたちが買うモノ・サービスの値段(物価)の動きを表す指数。インフレ・デフレの判断に使う。
金利お金を貸し借りするときの「利息の割合」。お金の値段のようなもの。
為替(かわせ)円とドルなど、通貨を交換するときの交換比率(為替レート)。
金利と景気・物価の関係

景気が良くなると、お金を借りてでも使いたい人が増えるので金利は上がりやすくなります。物価が上がる(インフレ)局面でも、金利は上がりやすい傾向です。逆に景気が悪いと金利は下がりやすい――この「景気↑→金利↑」のイメージをまずつかみましょう。

たとえ話:円高・円安は「円の人気」

「1ドル=100円」が「1ドル=90円」になると、少ない円でドルが買えるので円高(円の価値が上がった)。逆に「1ドル=110円」になると、多くの円が必要なので円安です。数字が大きくなると円安、小さくなると円高――最初は逆に感じるので注意しましょう。

具体例

1ドルのお菓子を買うとき、1ドル=100円なら100円、1ドル=150円(円安)なら150円かかります。円安だと輸入品は高くなり、海外旅行も割高に。逆に円高だと輸入品は安く買えます。為替は身近な値段にも効いてくるのです。

2. 預貯金(預金・貯金)

銀行の預金や、ゆうちょの貯金は、もっとも身近で安全性の高い金融商品です。すぐ引き出せる流動性(りゅうどうせい)の高さが魅力です。

ペイオフ(預金保険制度)

銀行などが万一破綻しても、預金者を守るしくみが預金保険制度(ペイオフ)です。1つの金融機関につき、預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。普通預金・定期預金などが対象です。

3. 債券(さいけん)

債券とは、国や会社が「お金を貸してください」と発行する借用証書のようなもの。買った人(投資家)は、定期的に利息(利子)を受け取り、満期(償還日)になると額面のお金が返ってきます。国が出すものを国債、会社が出すものを社債といいます。

たとえ話:債券は「お金の貸付チケット」

友だちに「1年後に返すね、お礼に利息もつけるよ」と書いた紙を渡してお金を借りる――その紙が債券のイメージです。発行した人にとっては借金、買った人にとっては「利息がもらえてあとで返してもらえる権利」になります。

表面利率と利回りのちがい

債券では似た言葉に注意が必要です。

用語意味
表面利率(クーポンレート)額面に対して毎年受け取る利息の割合。発行時に決まっていて変わらない。
利回り購入価格に対して、利息+値上がり(償還差益)まで含めた1年あたりの収益の割合。実際の「もうけ率」に近い。
債券価格と金利は逆に動く

世の中の金利が上がると、すでに発行された債券の価格は下がります。新しく出る債券のほうが高い利息をくれるので、古い低い利息の債券は「安くしないと売れない」からです。逆に金利が下がると、債券価格は上がります。「金利↑→価格↓」「金利↓→価格↑」と覚えましょう。

債券の主なリスク

信用リスク(デフォルトリスク):発行した国や会社が、利息や元本を払えなくなるリスク。
価格変動リスク:金利の動きなどで、途中で売るときの価格が上下するリスク。
信用度は格付けで示され、ふつう格付けが低い(信用リスクが高い)債券ほど利回りは高くなります。

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4. 株式(かぶしき)

株式は、会社の「持ち主の権利」を細かく分けたもの。株式を買って株主になると、会社が利益を出したときに配当金をもらえたり、株主総会で議決権を持てたりします。値上がりすれば売却して利益(譲渡益)を得ることもできます。

売買のおもなルール

代表的な投資指標

株が割安か割高か、会社が効率よく稼いでいるかを見るモノサシです。意味だけつかめばOKです。

指標読み方あらわすこと(意味)
PER株価収益率株価が「1株あたりの利益」の何倍か。低いほど割安とされる。
PBR株価純資産倍率株価が「1株あたりの純資産」の何倍か。低いほど割安とされる。
ROE自己資本利益率株主が出したお金で、どれだけ効率よく利益を出したか。高いほど効率がよい。
配当利回りはいとうりまわり株価に対して、1年間にもらえる配当金がどれくらいの割合か。
株価指数(しすう)

市場全体の動きを表すのが株価指数です。
日経平均株価:東京証券取引所の代表的な225社の株価をもとに計算した指数。
TOPIX(東証株価指数):東証プライム市場などの全体の値動きを示す指数。
「個別の会社」ではなく「市場全体の体温」を見るものさし、と覚えましょう。

5. 投資信託(とうししんたく)

投資信託(ファンド)は、多くの人から集めたお金をひとつにまとめ、運用のプロが株式や債券などに分散して投資する商品です。少額から始められ、自動的に分散投資になるのが特長です。

たとえ話:みんなで出し合う「投資のおべんとう箱」

ひとりでは買えない色々な株や債券を、みんなで少しずつお金を出し合って「詰め合わせ」にしたのが投資信託。中身の選定はプロにおまかせするイメージです。

関わる3つの会社(役割分担)

役割やること
運用会社(委託会社)どこに投資するかを決め、運用の指図をする。
販売会社証券会社・銀行など。投資信託を投資家に売る窓口。
信託銀行(受託会社)集めたお金(信託財産)を実際に保管・管理する。

おもな種類

かかるコスト(手数料)

コストいつ・何のため
購入時手数料買うときに販売会社に払う手数料。無料(ノーロード)の商品もある。
運用管理費用(信託報酬)保有している間、毎日少しずつ差し引かれる運用・管理の費用。
信託財産留保額解約(売却)するときに差し引かれることがある費用。商品によっては無いものもある。

6. 外貨建て商品

外貨預金や外貨建ての債券・保険など、ドルやユーロなどの外貨で運用する商品です。日本より高い金利が期待できることもありますが、為替の影響を強く受けます。

為替リスクと為替手数料

為替リスク:受け取るときに円高になっていると、円に戻したとき目減りすることがある(逆に円安なら増える)。
為替手数料:円と外貨を交換するたびにかかる手数料。往復でかかる点に注意。
「利息が高い」だけで判断せず、為替の上下も含めて考える必要があります。

7. ポートフォリオとリスク分散

ポートフォリオとは、持っている金融商品の「組み合わせ」のこと。値動きのちがう商品を組み合わせることで、全体のリスクをおさえる工夫が分散投資です。

たとえ話:たまごは1つのカゴに盛らない

たまごを全部1つのカゴに入れると、落としたとき全部割れます。複数のカゴに分けておけば、1つ落としても被害は一部ですみます。投資も同じで、1つの商品に集中せず分けておくとリスクが下がる――これが分散の発想です。

相関(そうかん)がカギ

分散の効果が大きいのは、値動きの方向がちがう(相関が低い)商品どうしを組み合わせたとき。同じように動くものばかり集めても、分散の効果は小さくなります。「逆や別々に動くものを混ぜる」と覚えましょう。

8. 金融商品と税金・NISA

投資でもうけが出ると、税金がかかります。株式や投資信託の利益への課税の基本を押さえましょう。

株式・投資信託の課税(基本)

株式や投資信託を売って得た譲渡益(売却益)や、受け取る配当金・分配金には、原則として申告分離課税が基本となります(他の所得と分けて、決まった税率で課税)。なお具体的な税率は法令で定められており、本ページでは詳細な数値には立ち入りません。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAは、決められた範囲で投資した株式・投資信託などから出る利益(譲渡益・配当・分配金)に税金がかからない、おトクな制度です。専用の口座(NISA口座)の中で買った分が対象になります。

新NISAの枠イメージ
つみたて投資枠コツコツ積み立てる長期向けの枠。対象は一定の基準を満たした投資信託など。
成長投資枠上場株式や投資信託などに、まとまった金額でも投資できる枠。
NISAのポイント

NISA口座の中で得た利益は非課税(税金がかからない)。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できるのが大きな特長です。一方、損が出てもふつうの課税口座と損益を相殺できないなどの注意点もあります。

大事な注意:投資にはリスクがあります

株式・債券・投資信託・外貨建て商品などは、値下がりして元本を下回ることがあります(預金とちがい元本保証ではありません)。本サイトは学習用の解説であり、特定の商品の購入をすすめる投資助言ではありません。実際の運用は自己責任で、ご自身でよく検討してください。

最新の制度・数値は公式で確認を

NISAの枠や税率、ペイオフの取り扱いなどの制度・数値は改定されることがあります。最新の正確な情報は、金融庁・国税庁・各金融機関などの公式情報で必ず確認してください。本ページの数字は学習の目安としてご利用ください。

おつかれさまでした!「金利と価格は逆」「受け取りは円高で目減り」「分散はちがう動きのものを混ぜる」――この3つが言えれば上出来です。それでは確認テストで力だめししてみましょう。

✏️ 確認テスト(全6問)

〇か×で答えてみましょう。ボタンを押すと答えと解説が出ます。

Q1. 「1ドル=100円」から「1ドル=120円」になることを、一般に円高という。

正解は ×。1ドルに必要な円が増えた(円の価値が下がった)ので、これは円安です。数字が大きくなると円安です。

Q2. 市場の金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がる傾向がある。

正解は 。新しい債券のほうが高い利息をくれるため、古い債券は値下がりします。金利↑→債券価格↓です。

Q3. 預金保険制度(ペイオフ)では、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護される。

正解は 。万一の破綻に備え、元本1,000万円までとその利息が保護対象です。

Q4. PERは、数値が高いほど一般に株価が割安と判断される。

正解は ×。PER(株価収益率)は低いほど割安とされます。高いと割高の目安です。

Q5. 投資信託の信託報酬(運用管理費用)は、保有している間、継続してかかる費用である。

正解は 。信託報酬は保有期間中、毎日少しずつ差し引かれます。購入時だけの費用ではありません。

Q6. NISA口座の中で得た株式や投資信託の利益(譲渡益・配当など)には、税金がかからない。

正解は 。NISAは少額投資非課税制度で、口座内の利益は非課税になります。

📝 一問一答(全7問)

Q1. 国内で1年間に生み出されたモノ・サービスの合計金額を表す指標は?
A. GDP(国内総生産)です。国の経済規模を表す代表的な指標です。
Q2. 物価の動きを表し、インフレ・デフレの判断に使う指数は?
A. 消費者物価指数(CPI)です。わたしたちが買うモノ・サービスの値段の動きを表します。
Q3. 債券の「表面利率」と「利回り」のちがいは?
A. 表面利率は額面に対する毎年の利息の割合(発行時に固定)。利回りは購入価格に対する実際の収益の割合で、値上がり益なども含めた「もうけ率」に近いものです。
Q4. 株式市場全体の動きを表す、東証の代表的な2つの株価指数は?
A. 日経平均株価TOPIX(東証株価指数)です。
Q5. 投資信託に関わる「運用会社・販売会社・信託銀行」のうち、お金を保管・管理するのは?
A. 信託銀行(受託会社)です。運用会社が指図し、販売会社が窓口になります。
Q6. 外貨建て商品で、円に戻すときに「円高」だと利益はどうなりやすい?
A. 円高だと、外貨を円に戻したときに目減りしやすいです(逆に円安なら増えやすい)。これが為替リスクです。
Q7. 新NISAにある2つの投資枠の名前は?
A. つみたて投資枠成長投資枠です。両方を併用できます。

このレッスンのまとめ

📌 このページのまとめ

  • GDP・景気動向指数・物価(CPI)・金利・為替が経済の基礎指標。景気↑→金利↑、数字が大きくなると円安
  • 預貯金は流動性が高く安全。ペイオフで元本1,000万円までとその利息が保護される。
  • 債券は金利↑→価格↓。信用リスク・価格変動リスクがあり、信用度は格付けで判断。
  • 株式の指標はPER・PBRは低いほど割安、ROEは高いほど効率的。市場全体は日経平均・TOPIXで見る。
  • 投資信託は分散が手軽。コストは購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額
  • 外貨建ては為替リスク・為替手数料に注意。分散投資はちがう動き(相関が低い)の組み合わせが効く。
  • 株式・投信の利益は原則申告分離課税NISAなら口座内の利益が非課税(つみたて投資枠・成長投資枠)。
  • 投資は元本割れのリスクあり。本サイトは学習用で投資助言ではありません。最新の制度・数値は公式で確認を。